ポルシェカイエン(958、V6)約7万km乗った感想とレビュー

ホビー
ポルシェカイエン958前期型フロント部分から。

2015年夏に手放してしまいましたが、ポルシェカイエン(958前期型、V6エンジン)を約7万km、日常の足として利用していました。

納車されたのは2011年秋。まだ東日本大震災の影響が色濃く残る時期でした。

当初は国内メーカーのミニバン、アルファード・ベルファイヤ・エルグランドなどを購入候補に。ですが、諸般の理由によりポルシェカイエンを選択。

カイエンの中でも、一番ベーシックなグレードのV6エンジン搭載車を購入。

ポルシェカイエン958前期型フロント部分から。

カイエンが納車されてから、日頃の足としてはもちろん、東北~四国までの移動に利用。スタッドレスタイヤを装着し、雪深いエリアにも出かけました。

荷物を大量に積み込んだり、太めな男性を乗せて5名乗車で移動したり。実用車としてもかなり使い込んだと思います。

ガレージに現車がない状態ではありますが、いろいろと思い出しつつ感想やレビューなどをつらつらと書いてみます。

ポルシェカイエン(958前期型)トラブルや乗ってみた感想

カイエンの故障、トラブル

まず約7万km乗った期間中、トラブルは特になし。

軽微なトラブルはもちろん、駆動系や電装に関するトラブルもなし。この記事を書くにあたり「カイエン 958 故障」で検索し表示されたユーザーの方々のレポートを拝見させていただくと、センサー系の故障がやや多く見受けられましたが、私の車では発生せず。

走行距離8,000kmの頃、クーラントレベルの警告が出たような記憶があります。念のため近所のポルシェセンターに持ち込み、冷却水の補充を依頼。その後、警告表示は表示されず。実際はそれほど減ってなかったようです。

ただ、パンク発生が2回ありました。うち1度のパンクは首都高速上で発生。リアタイヤのパンクです。これにはやや焦りましたね。首都高上でパンクを経験したのは、この時が初めて。

走行中、リアタイヤから振動と異音を感じた直後、すぐ出口があったため下道へ。コンビニに駐車しチェックしてみると、サイドウォールが裂けた状態でした。

カイエンはスペアタイヤの装備はなく、パンク補修キットのみ装備されています。最近のSUVはほとんどこれですよね。

タイヤが裂けた状態になると、パンク補修キットでは手の打ちようがありません。

「こりゃだめだ……」

すぐエマージェンシーサービスに連絡し、ローダーを手配。ディーラーへ持ち込んでのタイヤ交換と相成りました。

「クーラントレベル警告とパンク」これ以外はトラブルなしで過ごすことができました。

カイエンを普段乗るにあたってのサイズ、取り回し

カイエンの購入を検討される方が気にする点として、そのサイズでしょう。

全長は良いとしても、全幅1,940mmという点を気にされる人が多いように見受けられます。

「自分だけでなく、家族も運転する」という人にとって、特に奥様もカイエンを運転する機会があるという場合は気になりますよね。

この点に関してはそれほど心配せずとも良いかと。コンパクトとはいいがたいサイズですが、慣れで解決できるレベルだと思います。

当方が乗っていたカイエンは右ハンドル。左サイドミラー部分に下側を映すカメラが付いていました。カメラの映像は車内バックミラーに常時表示されます。(オフも可能)

乗り始めた直後は、全幅の感覚が掴みにくかったため、このカメラには助けられました。また、コインパーキングに駐車する場合、左ホイールがパーキング内の設備に接触しないかどうかを確認するためにも役立つものでした。

カイエン、走行性能や走りのフィーリング

実用的なエンジン

958カイエン前期型V6エンジン搭載車の走りの部分。

搭載されているV6エンジン、特に欠点は見当たらずかといって官能的なものでもなく、極めて実用的なエンジンかと。

カイエンSやカイエンターボ、特にターボは「アクセルを踏み込むと、でかくて重い物体がドーン!と自分の予想以上に怒濤の勢いで移動する」といった感じを抱かせてくれます。

ですが私の乗っていたV6エンジン車は、パワー感に不足はないものの、「うわ!速い!」的なことはありません。ちょっとパワーのあるSUVかなといった感じです。

踏み込んだ瞬間の勢いは、ひと昔前のアメリカンSUV(上位グレードのグラチェロなど)の方があるかもしれません。

足回り、乗り心地

V6カイエンは通常、一般的なタイプのサスペンションとなっています。ターボなどはエアサスだったはず。街中での乗り心地は、エアサスを装備したカイエンの方が快適です。

かといって私の乗っていたノーマルサス車に不満を感じていたかと言えばそうでもなく、助手席に乗った人からも不満の声をもらったこともありません。コントロールもしやすい足回りだと思います。

ポルシェカイエン(958前期型)リア部分の写真。この写真を撮った時に装着しているホイールは純正ではなく、スタッドレスタイヤ用に別途購入したホイールです。

ブレーキは良し。アイドリングストップからの再始動時、ショックが大きめ

ブレーキのフィーリング、性能は問題なし。2トン超えの車重にふさわしい性能で満足。

ホイールの汚れはかなりあります。これは仕方ないですね。保有していた期間中にパッド、ディスクローターが消耗しましたのでディーラーで交換しました。(確か前後輪すべて……だったはず)

ただ、あまり好みではなかったのがアイドリングストップから再始動する時に感じるショック。結構大きなショックを感じます。

再始動時のショックは改善の余地ありと常々感じていました。(アイドリングストップはオフにもできます)

カイエン購入を検討されている方へ

「自分がもう一度カイエンを買うなら」という点から少し述べてみたいと思います。

まず自分自身に、「もう一度カイエンを買いたいか?」と問うた場合「はい」と答えます。

酷暑の時期も、大雪の日も、天候に左右されず安心して乗ることができました。V6カイエン、刺激はないものの、実用車としてはかえって良かったかもと感じています。もう一度買うとしても、再び一番ベーシックなグレードを選ぶと思います。

カイエン、インフォメーションディスプレイ部分。ここに表示させる項目は設定で変更可。「122km」は走行可能距離。その下は順に油温、油圧、電圧。この日は外気温40度超えの酷暑。アイドリングストップ機能がオフになっている場合、「A」にスラッシュが入った表示が出ます。

カイエンに欲しかった装備

シート

自分がもう一度カイエンを買う場合に欲しい装備をつらつらと。

何と言ってもシート!私が乗っていたカイエンは、標準シート装備車。

シートの作りに不満はないものの、せめてランバーサポートは欲しかった。体型に依存する部分が大きいと思いますが、腰部分のくぼみが私の体型とのマッチ感が今一歩。

「コンフォートメモリーパッケージ」を選べばランバーサポートがシートに装備されます。これが欲しかったですね。

私は本国発注ではなく、ポルシェジャパン国内在庫車からV6カイエンを選びました。たぶん、ほぼすべての国内在庫車V6カイエンは(たぶん今でも)標準シートしかないのでは。

注文後、可能な限り早く納車して欲しかったため在庫車から選びました。でもシートは変えたかったなあと。

4ゾーンエアコンディショナーシステム

「4ゾーンエアコンディショナーシステム」とは、車内前後左右の温度を個別に制御できるエアコン。リアシートに乗った人が自分で好みの温度に調節できます。

エアコン自体の性能に不満はありませんでした。ただ後席の乗員が自分で室温を調節できるのは便利な機能だと思います。

そしていつものパターンに……

他に細かなオプションで「あれば便利だったかなあ」と思えるものはあります。

ただですね、ポルシェ、いつものパターンで「あれもこれも」と付けていくと、

「だったら上位グレードを買えば良いではないか」

または、

「本国に注文すると納期こんなに掛かるの……納車されるころにはマイナー/フルモデルチェンジされてしまうのでは?」

というオプション無限地獄&焦らしプレイになっていきますので……ある程度割り切りは必要です。

選んだグレードのパワーやフィーリングが気に入れば、オプションや細かな装備の違いは半年も乗ったら気にならなくなるはずです。

総合的に満足度は高し

手放してしまったとは言え、カイエンを選んで良かったと感じています。

乗れば必ずドライバーの目に入る内装のクオリティとデザインに関しては、満足度の高いものがありました。

カレラGTから始まったセンター部分のデザインは非常に好み。現行911(type 991)やボクスター、ケイマン、パナメーラ、マカンも同様のデザインですよね。

最後になりましたが国産大型ミニバンではなくカイエンを選んだ大きな理由について。

私は仕事の都合上、地方から上京された得意先・取引先を空港や駅まで迎えにいき、その後商談や接待をするパターンが多いのです。

芸達者な人間ではないため接待も上手にできませんが、わざわざ上京してきていただいたのだから、せめて移動の時くらいは「いつもと違う感」を味わっていただけたらなあと思い、この車を選びました。

この点ではお越しいただいた方のネタにもなったので、狙い通りだったかと思っています。