印象深く忘れられない車、G 350 BlueTEC

自動車

サーキット専用車から最新高級セダンまで、2015年はいろいろなタイプの車に乗る機会に恵まれました。

まず新春、内装を引っ剥がしてサーキット専用車にした国産FF小型車で、「もう降りたい(涙)」と泣きベソかくほどサーキットをたっぷり走ってきました。

10年以上前の車ですが、これがまた楽しいんですわ。

速い軽い良く止まるな車で最高でした。ただ運ちゃん(私)の体力がダメダメで。当日はまだしも、翌日ぐったり。

夏には知人がドイツ製の高級セダンを社用車として購入したのでこちらも試乗。車種は高級セダンと言えばアレなSです。

こちらはもう文句なく、素晴らしい車でした。特に後部座席!

そしてその後、夏真っ盛りな数日間試させてもらった車があります。こちらが今年一番印象深い車となりました。

メルセデス・ベンツ G 350 BlueTEC

一番印象深く、今でも「あー、あの車良かったなあ」と思い出す車種はメルセデス・ベンツ G 350 BlueTEC。

ディーゼルエンジン搭載のGクラスです。

なお、G350ブルーテックはG350 dとなり2016年初頭から国内デリバリーが始まるようです。

※当サイト車レビュー恒例?でまた写真撮り忘れで今回も写真なしレビューとなってます。

Gにはあまり良い印象が……

15年以上前になると思いますが、5AT・ガソリンエンジン搭載のGクラスを短時間運転したことはありますが、ある程度長い距離を走らせたのは初めて。

以前運転した時は、見た目のゴツさ・独特の乗り心地や運転感覚になんとも言えない気分になった記憶があります。まあ若かったですし、この手の車に興味を持っていなかったため、あまり良い印象を抱けませんでした。

印象を覆すG350ブルーテック

あまり良い印象を持っていなかったGクラス。

購入後約8,000km程度走行したG350ブルーテックを知人から借り受けました。

駐車場に置かれた実物は、相変わらずゴツい。そして四角い。とにかく全面カクカク。

最近は横幅1900mm超えのSUVも珍しくないため、以前に乗った時よりもデカい印象は薄れましたが、それでもこのスクエアさは凄い。

「四角いなあ~」

車のまわりをグルッとしてから乗り込み、エンジンスタート。ディーゼルらしい音は耳に届くものの、予想よりガラガラ感はなし。

この日は急いで家を出なければいけなかったため、暖気を済ませ即出発。

走って10分程度したころでしょうか。乗り心地、ステアリングから伝わる感触、見切りの良さ、見た目より実はコンパクトな横幅、他のベンツとほぼ同様な今時のインテリアなどなどに

「これ、いいわ!」

思わず声が出てしまいました。

ディーゼルがぴったり

ディーゼルエンジンの特性と、Gクラスのキャラクターはぴったりマッチしていると思います。

トルクがあって街乗りも楽。それも「グワッ!」と加速するのではなく、予想より少し力強い加速感が快適。

運転直後はディーゼルのネガな部分をあら探しするような心持ちだったのが、乗り慣れてくると良さしか感じられなくなりました。

高速巡航も快適

街を抜けて東北道へ。

高速ではどんなもんかと思いつつ料金所を通過し、本線を周囲のペースに合わせて巡航。

以前乗ったGは5AT。このG350ブルーテックは7AT。個人的にはこの2段の違いが大きく感じられました。車内へもっとエンジン音が響いてくるかと思いきや、思ったより静か。

ディストロニック・プラス

高速で快適に移動できた大きな理由のひとつが、前走者との車間距離を維持しつつクルーズできるディストロニック・プラス。

最初はおっかなびっくりしつつも、しばらくすれば「これは信用できる」と。

この日、東北道下りは宇都宮付近まで結構な交通量。走行車線を前走者に合わせて追従してくれるディストロニック・プラスの機能が生きる状況でした。

佐野あたりのコーナーとアップダウンがあるエリアも、ディストロニック・プラスにお任せで快適に走行。目的地の宮城県内に着いた時の疲労感がいつもより少ないのは助かりました。

独特のハンドリングが癖に

Gクラスを運転した方なら誰でもお分かりになるであろう、独特のステアリングフィール。

これも以前は「…………。」な印象。ところが今回運転してみて、まったりとしたステア具合が非常に気に入ってしまいました。

コーナーや右左折時、自分でしっかりと回して戻さなければいけないステアリング。この感覚が気に入るかそうでないかで、Gクラスとの相性も決まるのかなと。

私はもちろん肯定派です。

これは絶対長く乗れるでしょう!

今回借りたG350ブルーテック、誰かを助手席や後部座席に乗せたりはしませんでした。運転者からすれば特に不満のない乗り心地。

エアサス付きSUVのような快適さはありませんので、後部座席に乗った人からはひょっとしたら不満が出るかもしれませんが、運転者としては問題なし。

なによりこのスタイルと運転席に座った時に感じる安心感が最高です。

ディーゼル搭載最新モデルのG350d、価格は約1,000万円。高額であることは間違いありません。ただ好きになってしまうと代わりになるものがない車です。

「一生もの」という言葉を信じない私でも、「これは一生ものかもしれない……」と感じられました。長く愛されるには理由があると感心した次第です。